伊集院静

亀次の楽しみは釣りであった。ここ4年目をつけている大物のチヌを今日も狙いながら、物思いに耽る。幼い頃から鈍い、不器用だといじめられ、今も夢にみるくらいだが、そんな自分も一家の主となり、洗濯屋を営み、孫の顔も見れた、上出来だ、と考えたのだったが･･･ 男が自分でも気付かずに背負ってきたモノを描く。 Author - 伊集院静. Narrator - 梶村蹊子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

純也と淑子は双子の兄妹だった。淑子が難しい病気にかかり、純也は母と二人で看病の日を過ごしていた。 そんなある日、純也は都会の匂いをさせた野球の上手な少女と出会った･･･ Author - 伊集院静. Narrator - 吉田みゆき. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

「お江戸の頃から、花盗人は罪にはならなかったって話だ…。」最後の花盗人といわれる深沢粂三から、さまぎまな事を学んだ志津子は、客の注文に応じて新潟の弥彦村に桜を盗りに出かける。 Author - 伊集院静. Narrator - 神崎美和子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

ガラスで出来たピエロの人形を拾った事から、トオルは病気のソウ君とその姉さんと友達になった。ソウ君を元気づけるためにトオルはホームランを打ちたかった・・・ Author - 伊集院静. Narrator - 山田聰子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

14才の春、少年は瀬戸内海沿いの故郷を出た。そしてそれから20数年後美花鮨を開店した。開店当日母が急死する。ずっと彼を支え続けてくれた母の人生は･･･ Author - 伊集院静. Narrator - 梶村蹊子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

夕陽がこんなに大きいんです。」小さな島に小さな教会を建てるのだという真人の夢は、親友の月丘修に引き継がれた。教会を一人で建てる男の、情熱とロマンを描く。 Author - 伊集院静. Narrator - 小川道子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

相撲取りを目指して挫折し、鎌倉で小料理屋を営む佐山久治。昔は甲子園を沸かせたＹ高のエース大矢正一。 年月を経て好きな野球を楽しみながら、男同士かけがえの無い友情を深めていた･･ Author - 伊集院静. Narrator - 小川道子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

幼い頃、母と自分を置いて出て行った父を正一は憎んでいた。二十数年ぶりに小料理屋のカウンターに父と並んだ正一は、話題も途切れがちで、料理を盛られて出された切子の器の美しさが妙に心に残った。 Author - 伊集院静. Narrator - 松谷有梨. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

早逝した夫を思いながら息子を見守る由美。決別した父と再会をすることになった正一。過去を腹におさめて包丁をふるう久治。映画館に入ってきた男に旧知の面影をみる信子。仕事でも家庭でも壁に直面している美知男。生家を食いつぶしきった善一。半生をかけた野球からの引退の日を控えた鐵次郎･･･ 生きてきて、なおも生きていく人々の、厚みのある７編。 監督/吉田純子・編集/三好達也 Author - 伊集院静. Narrator - 根本泰彦. Published Date - Thursday, 19...

長い間、社会人野球の選手・監督として活躍し、常に前向きに突き進んできた鐡次郎だが今日最終ゲームを終えた。帰路、夜空の月を見上げた鐡次郎は、夫の回復を祈る孫娘の姿に老妻の言葉が重なり、その「受け月」に向かって静に両手を合わせていた。 （直木賞受賞作） Author - 伊集院静. Narrator - 吉浜直樹. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

高野順三と渡辺孝雄は同じ歳で良きライバルだった。二人の野球少年は今、順三は、社会人野球チームの監督に、孝雄は同じ会社の専務になっていた。久しぶりに再会した二人は恩師諸田の、野球を通しての数々の教えを懐かしく思い起こす。 Author - 伊集院静. Narrator - 吉浜直樹. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

結婚を控えた娘に、先立ってしまった夫・英二との新婚時代を思い出す、さちえ。そのころ、さちえは自分が人並に幸せになどなれるわけがないと信じ込んでいた。新婚旅行先の熱海でも･･･ 温かい涙が溢れる佳作。 Author - 伊集院静. Narrator - 梶村蹊子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

廣代は、句会の席で自分を見つめる吉井の視線を感じていた。バネ指を患って、病院に行った廣代は、偶然中庭のベンチでパジャマ姿の吉井の姿をみかける･･･ Author - 伊集院静. Narrator - 梶けいこ. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

瀬戸の小島の生徒数7人の小学校に赴任してきた青年は、病気で口がきけなくなっていた。「先生は口がきけんのか。機関車先生だ」—機関車先生と恵まれた自然のなかで過ごす、楽しいこと、そしてつらいことも詰まった毎日。優しさを知り、強さを知っていく･･･涙なしでは聞けない名作。 柴田錬三郎賞受賞 Author - 伊集院静. Narrator - 長尾理保子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

大学を中退した後、仕事もうまくいかず、職を転々とし、酒とギャンブルにおぼれ、とうとう妻子にも去られ、公園にいた男が、投手が来なくて困っている草野球の選手たちに力を貸すことに。—じつは男は、昔、投手として甲子園を目指していたのだった･･･ 大人として新たなステージにあがる男を描く。 Author - 伊集院静. Narrator - 梶村蹊子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

惇は、年をとってから恵まれた待望の男の子だった。正作は、どこに行くにも惇をつれていった。ある日２人で七夕飾りの笹竹取りに出かけた。山の空気をすって満ち足りた父子だったが、妻のみやげにしようと皐月に手をのばしたとたん事故は起こった。たくましい父と懸命にがんばる息子。父親と息子の絆をすがすがしく描く。 Author - 伊集院静. Narrator - 梶村蹊子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

あなたとともに生きて行きたいと願う倫子に、消防士の邦夫は「俺は、その時が来た時、躊躇うことがないように生きていたいんです」と、心を開こうとしなかった･･･ Author - 伊集院静. Narrator - 堀英二. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

高比良は、今日定年を迎えた。ふと、毎日通勤電車の車窓から眺めていた丘の上の大きな木に逢いに行こうと思い立った。探し回ってやっと見つけた木の幹を撫ぜながら･･･ Author - 伊集院静. Narrator - 梶けいこ. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

「目に見えぬところの丁寧さが 最後には表へ出て来るからな」 ･･･幼い頃の事故で不自由になった足と吃音癖とを持った、不器用な若い経師職人廣作のひたむきな日常 Author - 伊集院静. Narrator - 堀英二. Published Date - Thursday, 19 January 2023.