浅田次郎

銀行を退職した塚田の再就職先は、社長のお抱え運転手だった。タイプの違う社長に戸惑いながら鷹揚で照れ屋の社長の人柄に惹かれていった。 ･･持ち馬が大勝した日、競馬場から向かった先はガード下の靴磨きのところだった。 Author - 浅田次郎. Narrator - 吉浜直樹. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

「私に、おとうさんを下さい」 せまる東京オリンピックへの期待に湧く町のかたすみで暮らす、36歳の母と、12歳の娘。仕事の母を待ちながら、お嫁に行けなくならないように紙細工のお雛様をつくる、ひとりぼっちの夜ーーそこに仲良しだったもとお隣の青年が訪ねてくる･･･ 切ない少女のこころがそっと包み込まれた一篇です。 Author - 浅田次郎. Narrator - 松谷有梨. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

今からお泊りいただく「プリズンホテル」は負のエネルギーが凝り固まった粗野で狂暴で非常識な宿。しかし時として、メジャーな世界ではどうしようもなくなった苦悩を、マイナーな世界のエネルギーでアッサリ溶解してしまう所でございます。ご同宿者は、定年を迎えた部長夫婦、極道小説家とその愛人どの、町金に追われるご一家のみなさまです。――では、二泊三日の旅、どうぞお愉しみください。 監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史 Author - 浅田次郎. Narrator - 三好翼. Published Date -...

「こいつだけは殺しちゃならねえって、土方歳三は考えていたんだと思います。」･･その男は、南部藩足軽同心の家に生まれ、武を磨き、文を磨き、妻を娶り、子を得、脱藩し、流浪し、新撰組に転がり込み、殺し殺して”人斬り貫一”と呼ばれ、金を貯め、命を惜しみ、生きて、生きた――激動を生き抜いた男たちが語る、ある壬生浪の生き様をお聞きください。 監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史 Author - 浅田次郎. Narrator - 平川正三. Published Date - Thursday, 19...

新撰組隊士・吉村貫一郎は鳥羽伏見の戦に負け旧友のもとに転がり込んだ。が、「腹を、切れってか」――南部盛岡藩二十万石重臣大野次郎右衛門。民百姓から情け無用に年貢を取り立て、商人には無理無体の要求をし、あげく藩を逆賊となし、処刑されて死ぬこととなる男、“壬生の鬼貫“吉村に切腹を迫った大野次郎衛の決断。栄枯盛衰の中にもかわらぬ人の道とは。 監督/吉田純子・編集/三好達也_林岳史 Author - 浅田次郎. Narrator - 平川正三. Published Date - Thursday, 19...

“泣く”ことができるのは人間であるから。六十年胸に抱いてきた言葉を涙とともに零したワンマン社長、齢三十を越えてようやく「人間になれた」と泣くミノ･･･ 悲しいとも嬉しいとも言い難い万感の涙がつまっている「平成の泣かせ屋」の異名をとる著者の面目躍如の１冊。 収録作品：月島慕情/供物/雪鰻/インセクト/冬の星座/めぐりあい/シューシャインボーイ 監督：吉田純子・編集：三好達也 Author - 浅田次郎. Narrator - 大森ゆき／前田弘喜. Published Date - Thursday,...

しんそこ惚れた男に身請けされるなんてことがあるものだろうか。亀清楼の生駒太夫は我が身の果報に身体の震えが止まらなかった。月島の上に昇る見事な月の下で、時次郎との暮らしをあれこれ夢見てミノの胸は膨らんだ。 Author - 浅田次郎. Narrator - 小川道子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

久子は夫に誘われ二人で表参道のクリスマスイルミネーションを見に出かける。夫からは、やさしく細やかな愛情と何不自由ない幸せな生活を保障されている。だが、久子には忘れられない過去があった。表参道での偶然は･･･ Author - 浅田次郎. Narrator - 松谷有梨. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

さすがだね、旦那、サマになってる。そのまんまでいいや」スタジオで肖像写真を撮影するとき、祖父が客の表情や姿勢を直さないのは珍しかった。そして「ぱばあが惚れるのも無理はねえな。」とつぶやいた。 Author - 浅田次郎. Narrator - 小川道子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.

娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた・・・そのとき、娘さんは、奥さんは、何をおもったろう。さみしかったのではないか。うらんでいたかもしれない。すくなくとも、すごいなあ、立派な人だなあ・・とは思っていなかったに違いない。家庭をさしおいて、義務を優先した男が、単純に偉いとは思えない。けれども、ひたむきに懸命に生きてきた姿には、敬意を表さずにはおれない。・・こんな風な尊い生き方ができるかどうか。いやまず、そんな風に生きたいと思えるかどうか。涙をさそいがちな胸にせまる小説を、朗読演出家水城...

祖母は美しい人だつた。凛とした居ずまい、たたずまいは心に刻みつけられている。万事派手好みで上等でなければ気がすまなかったのに芝居は三階の大向こう、闇の奥から「音羽屋ッ！」通さえも振り向く実にいい声だつた。 Author - 浅田次郎. Narrator - 小川道子. Published Date - Thursday, 19 January 2023.